桐野夏生著 ”魂萌え!”
出版社/著者からの内容紹介
ささやかな<日常>に、豊饒な世界を描き出した、再生と希望の物語。
夫婦ふたりで平穏な生活を送っていた関口敏子、59歳。
63歳の夫・隆之が心臓麻痺で急死し、その人生は一変した。
8年ぶりにあらわれ強引に同居を迫る長男・彰之。
長女・美保を巻き込み持ちあがる相続問題。
しかし、なによりも敏子の心を乱し、惑わせるのは、夫の遺した衝撃的な「秘密」だった。
『OUT』や『柔らかな頬』、『グロテスク』同様、世間という荒波を、揺らぎながら漂流していく主人公。
これまでの作品のような犯罪は出てこない代わりに、人々の日々の細部が、丹念につづられていく。
「これから先は喪失との戦いなのだ。友人、知人、体力、知力、金、尊厳。
数えだしたらキリがないほど、自分はいろんなものを失うことだろう。
老いて得るものがあるとしたら、それは何なのか、知りたいものだ」(本文より)
たったひとりで、老いと孤独に向き合うことを決意する主人公。
世間と格闘しながら、変貌を遂げていく敏子の姿は、読む者に大きな希望を与えてくれる。
私たちが生きる、ささやかで儚い日常という世界を舞台に、著者の新たな代表作が誕生した。
物語の展開にひきこまれつつ、共感を覚えつつ、
いろいろなことを考えさせられる一冊でした、、、
”グロテスク”を書いた著者の大ファンですが、先日、新聞のコラムで、こんなひとことを、目にしました。
私の自由や小説の世界を脅かす人とは、やはり言葉で闘おうと思います。
怖いと思われても、嫌われても、
自分のことは自分でしか守れないと思っているからです。(談)
やっぱり、
桐野夏生さんは、抜群にかっこよくて、、わたしの、あこがれのひと、なのでした、、、
★★★☆☆
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この本、出てすぐ読んだわ。
夫の秘密、子供達の身勝手な発言、、、
でも、彼女だんだん強くなって一人で生きて行く覚悟を決めて行くでしょ、応援してあげたくなっちゃたわよ。
生きるって大変・・・
投稿: mieko | 2008年8月11日 (月) 09:21
そうそう、、ほんとうにそうだよね・・・、!
それにしても、中年女性の揺れ動く心理を、
なんで、この若いひとが、ここまで、
的確に描写できるのかと、
そこにすっかり、感服してしまったの、、、
投稿: きぬえ | 2008年8月11日 (月) 20:10