齋藤慎一郎著 ”小さい植物園” ★
若い頃、ふとしたご縁で参加させて頂いていた、
植物観察の”ゲーテ植物学会”の主催者の齋藤先生の著作です。
ぜんまい、オミナエシ、コンフリー、ドクダミ、パンノキ、
くちなし、アジサイ、れんげそう、クスノキ、イチイ、ハルジオン・・・
さまざまな植物たちの横顔が、すてきな挿絵とともに、紹介されています。
もともと、名もなき草花たちに心惹かれていたわたしを、
さらに、奥深い世界へといざなってくれた誠に魅力的な本です。
・・・、大切な、大切な、一生のガイドブックです。
子供が生まれてから、しばらく、ゲーテの会からも遠ざかり、それから、
しばらくぶりにお目にかかった、齋藤先生は、まるで、浮世離れした、仙人のようでした、、、
・・・、うわ~♪、、、、かっこいい~!、
思わず、つぶやいてしまったほどです、(^^ゞ
観察会の折は、どなたが、どんな草木の名前を尋ねても、
一度たりとも、お答えに窮するところを見たことがありませんでした。
その驚くべき博識ぶりにもかかわらず、
いつも、にこやかで、穏やかな微笑をうかべていらっしゃる齋藤先生は、
ただ、ただ、おそばに居たくなる存在でした、、、
お近くに居るだけで、安心した、満ち足りた気持ちになるのです。
齋藤先生のまわりは、ほんわかと、柔らかなオレンジ色のオーラが漂い、
まさに、仙人のようでした。
07年12月15日、齋藤先生は、天国に召されました。
心から慈しんでおられた、蜘蛛たちと、
きっと、たのしそうに、お言葉を交わしていらっしゃると存じます。
斎場に飾られたたくさんの写真の中に、どこかの山頂で、奥様の好子さまの肩を抱き、
はにかみながらも、あふれる幸福感にかがやく、おふたりの笑顔の写真がありました。
齋藤先生のこの笑顔を拝見することは、もう二度とできないんだなと思うと、
思わず、知らず、熱いものがこみあげてきて、
しばらく、動くこともできないでおりました、、、
先生と呼ばれることを好ましく思っていらっしゃいませんでしたが、
やっぱり、わたしの、先生です、、、
斎藤先生、
さようなら・・・
« Olive Bar | トップページ | 手作りの布わらじ »
「読書(あ~さ)」カテゴリの記事
- ウォルタ−・アイザックソン著 ”イーロン・マスク 上・下” ☆(2025.04.23)
- アガサ クリスティー著 ”そして誰もいなくなった” ☆(2025.04.13)
- 一穂ミチ著 ”ツミデミック”(2025.03.19)
- 青崎 有吾著 ”地雷グリコ” ☆(2025.02.08)
- 逢坂剛著 「百舌シリーズ」☆(2025.01.18)
きぬえは今年、別れの多い年になっちゃったね。
でもね、別れがあるってことは出会いもある。
気を落すことなく、この年末の慌しい時を乗り切ってね。
ご冥福をお祈りいたします。
投稿: mieko | 2007年12月19日 (水) 15:20
★mieko,
かわいがってくれた人が、どんどん、いなくなっちゃう、、
(:-:)
年をとるのって、さみしィね~、(-.-)
投稿: きぬえ | 2007年12月19日 (水) 19:28
kinueさん、植物観察会は貴女にとって忘れられない思出となりましたね、仙人(故人)も小さい存在で在りましたが多くの人に愛され慕われた事に感謝していると思います。弟より
投稿: komikon62 | 2007年12月23日 (日) 14:16
★komikon62さま、
コメントをありがとうございます。
ほんとうに、皆様に慕われていらっしゃいました。
こころから、ご冥福をお祈りいたします、、、
投稿: kinue | 2007年12月23日 (日) 18:42
はじめまして。私も小学生の時にゲーテ植物学会に数回参加したことがあります。昨夜急に思い立ち、お名前をネット検索してこのブログにたどり着きました。まさに書かれている通りの方だと懐かしく読んでいたのですが、亡くなられたことを知り、涙が止まらなくなりました…自然や植物について話すときいつも頭の中にはなはな仙人の思い出が蘇っていたように思います。ブログに書いてくださってありがとうございました。はなはな仙人に教えていただいたことを忘れずに毎日を過ごしたいと思います。
投稿: まゆみ | 2010年11月18日 (木) 08:48
はじめまして、こんにちは、、
これも、何かのご縁でしょうか、、
きっと、ゲーテの会でご一緒したことがあるのでしょうね、、、(^-^)
今度、斎藤先生の
「星雲ミカの小さな冒険シリーズ」として4話で構成されている童話が
晶文社から3冊出版されるそうです。
来年2月27日(日)に東京四谷の紀尾井ホールで開催予定の、
「中島はるの世界」という演奏会では、
先生作詞の組曲「歌う昆虫記」や、作詞作曲の「蜘蛛は素晴らしい」が演奏され、
先生の文章が朗読されるそうです。
以上、奥様からの情報でした、、、
投稿: きぬえ | 2010年11月18日 (木) 09:34
きぬえさん
本当に不思議なご縁ですね。先生の本の出版と演奏会の情報ありがとうございます。参加したいと思います。
実は兄も先生にお世話になり、伺いたいことがあるのですが、メールをいただくことはできますか?
投稿: まゆみ | 2010年11月20日 (土) 11:14
さっそく、メールさせていただきます、(^-^)
天国の斎藤先生の笑顔が目に浮かびます、、、、
投稿: きぬえ | 2010年11月20日 (土) 20:19
2月27日の紀尾井ホールのソプラノコンサートは盛況でした、当日「星雲ミカの小さな冒険」(2編)が発売され、近日中には店頭に出ることでしょう。
この童話を沢山の人に読んでいただき、兄の志をつなげていってもらえれば、空の向こうでにっこり笑って喜ぶ事でしょう。
多くの皆様のお力沿いに感謝いたします。
投稿: 弟 | 2011年3月 2日 (水) 16:35
コメントありがとうございます。
斎藤先生の笑顔が目に浮かびます、、、
投稿: きぬえ | 2011年3月 2日 (水) 19:28
20代のころ、齋藤慎一郎さんの「小さい植物園」に出会いました。今にして思えば、その後、植物の写真を生業にするようになった私にとって、大切な読書経験でした。
「日本のスミレ」という本を出版した時に、齋藤さんは豊橋までパーティーに駆けつけてくれました。結局、お会いしたのはその一度だけになりました。
一言でいえば、平成の宮沢賢治。弱者へのまなざし、平和を希求する信念、「小さい植物園」もクモ合戦の研究も、そういった通奏低音が響き合っていました。
完成された理念を持つ稀代の博物学者、芸術家であったと思います。もっともっと、多くの人に、齋藤さんの残された著作を読んでもらいたいものですね。
私も、ご存命中にもっともっとご指導を受けるべきだったと後悔しています。
投稿: いがりまさし | 2011年12月15日 (木) 16:13
なつかしく、温かいコメントをありがとうございます。
ほんとうに、素敵な、そして素晴らしいお方でした、、、
投稿: きぬえ | 2011年12月15日 (木) 20:38
2011年もあと1日で終わろうとしています、齋藤慎一郎は多くの皆様のおかげでよい人生を送ったと思います、12月に母(登志子・96歳9ヶ月)が大腿骨骨折で手術し頑張っております、慎一郎の妻(好子)の献身的な介護に感謝しつつ、私達も頑張っております。皆様に、感謝!!
投稿: 弟 | 2011年12月30日 (金) 23:25
斉藤さんとは、知人の高校時代の友人の温泉一泊旅行にご一緒したのが出会いでした。
とても苦しいときでした何も話さないのに察してくださって。
用務員時代のころのある女の子のことを話してくださって、涙が止まらずただじっときいていました
一緒にいるだけで癒されましたはじめて私の苦しみをわかってくださった人のようにかんじました
その後帰省、木彫りのボードを作ったのですが、稚拙な出来を恥ずかしく送ることが出来ず
そのままにしたことが悔やまれます
イギリス留学中に絵葉書をいただき、台風の中テントを張って一人で頑張っていますと・・・
そのときもまた苦しくて苦しくてたまらないときまるで、応援メッセージのように心に響きました
私にとってどん底のときにふっと光をとばしてくれるかたでした、先生と呼んだとき真剣に
僕は先生ではありません斉藤さんと読んでくださいと、きっぱりといわれました
今、とてもお目にかかりたいです。
投稿: 郁恵 | 2015年8月31日 (月) 19:42