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2006年5月24日 (水)

山本夏彦名言集 ”何用あって月世界へ”


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辛口コラムニストで知られる山本夏彦の文章から集めた
900あまりのひとこと集から、、、以下に一部転記します




 私はすべて巨大なもの、えらそうなものなら疑う。
疑わしいところがなければ巨大になれる道理がないからである。
大デパート、大会社、大新聞社は図体が大きい。
よいことばかりして、あんなに大きくなれるはずがない。
総評や日教組は組織が大きい。
もっとも大きいのは世論で、これを疑うのは現代のタブーである。
だから私は疑う。
世論に従うのを当然とする俗論を読むと、私はしばしば逆上する。


 いきり立つものと争うのは無益である。


 欲ばって損したものを、欲張らないものは笑う資格がある。
笑って、自分の内部にある欲ばり根性を封じるのである。
それは、すんでのことで躍りでて同じことをしようとした根性である。


 子供を五人も六人もかかえて獅子奮迅の勢いで働いている両親を、
私たちは見なくなりました。
母たちはなりふり構わず働いて、衣食に追われていましたから、皺がふえるのは
当り前で、気にもとめませんでした。
働いた甲斐があって、無事子供が成人するのを見れば満足しました。
孫の顔を見ればさらに安心して死にました。
生まれることが自然なら、死ぬこともまた自然でなければなりません。
今日ほど死ぬことがむずかしくなった時代はこれまでなかったと思います。


 墓の前に毛せんを敷いて、老若が酒盛をしているのであった。
死んだ人の前で、まだ生きている子や孫がしめやかに酒盛しているのである。
だれの墓か知らないがこういう供養もあるのか、
こういう花見もあるのかと思ったのでおぼえている。
あの一座の声が大きくなかったのは、死んだ人と話をしていたからである。
それでいてどこか花やいでいたのは、幼な子と若い娘の声がしたからである。



 何用あって月世界へ?・・・・・月はながめるものである










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